特集 氏子の想い Vol.9

特集 氏子の想い

次代につなぐ、伝統の騎馬行列

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高橋英樹さん
神宮寺騎馬保存会 会長

―まず初めに、そもそも騎馬行列とは? 神宮寺地区の騎馬行列の特徴とは?

■高橋 騎馬行列は御柱祭、御射山祭、御船祭など、鎌倉以前から行われていたと伝えられており、とても長い歴史のある大変華々しいものです。
諏訪市神宮寺地区の騎馬行列は、御柱祭の上社本宮 里曳きの華として明治初期より現在の形で受け継がれてきました。騎馬行列には出陣騎馬と凱旋騎馬の2種類があり、私たち神宮寺地区は出陣騎馬を行っています。諏訪市四賀地区の皆さんは凱旋騎馬をやっていらっしゃいます。
出陣騎馬の特徴は、"縦波"と呼ばれる上下動の所作にあります。これが凱旋騎馬になりますと、戦いに勝利した喜びの表現として"横波"の所作になるそうです。

―総勢100名超の大行列だそうですね!

■高橋 本騎馬には本当にさまざまな役があり、道具も衣装も多彩で華やかです。旗持ちを先頭に、露払い、長柄槍、御箱、赤熊などが続き、さらに殿様を楽しませる芸傘、草履取り、くつ籠が列を成します。独特のかけ声と上下動の所作と共に進み、芸傘のほか御箱、赤熊、長柄槍などの芸を披露します。
また、行列本隊の約80名のほか、指導者、付き添い、役員がおりますので、総勢で120名くらいになるんですね。規模だけを見ても、地区総出で代々継承してきた大切な伝統行事であることがよくわかります。

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高橋さんと神宮寺騎馬保存会との関わりについて教えてください。

■高橋 私はもともと諏訪エリア内の別の地区に住んでおりまして、平成2年の結婚と同時に神宮寺地区に転入しました。以前は団地住まいだったため、御柱含め地区の行事に参加したことがまったくなかったんです。
しかし、引っ越しから2年経った平成4年に、初めて御柱を"地域のお祭り"として見ることができたんですね。当時はまだ転入直後だったので参加こそできませんでしたが、これほどまでに地域が一体となるすごいお祭りなのだとわかり、次回はぜひ参加したいと思いました。その後の平成10年、16年、22年と参加させていただき、今回で4回目になります。

―どのような活動をするのでしょうか。

■高橋 神宮寺騎馬保存会では騎馬行列のほか、毎年9月15日に「十五夜祭奉納相撲」も行っていて、私もずっと参加させてもらっています。こうした行事への参加を通じて、神宮寺には新しい人を常に快く受け入れてくださる風土があると感じました。私の場合、地区内に高校や会社の先輩がいたこともあり、まず消防団の仲間に入れていただきました。基本的に伝統や絆をとても大切にしながらも決して封建的ではなく、とてもオープンな雰囲気ですね。

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―前回の御柱祭では息子さんとペアで芸傘を披露されたとか。

■高橋 まず平成10年に、32歳にして初めての御柱祭かつ初めての騎馬行列にもかかわらず、芸傘をやらせていただきました。芸傘は大きな傘を手に乗せて立てたり、傘を握らずに投げて受け取るという難しい役です。ですから、練習を重ねてのこととはいえ、本番でうまく披露できた時は嬉しかったですね。
続いて16年の時は、笑わせ役のくつ籠を担わせてもらいました。そして、前回の22年の際は、当時小学校5年生だった息子と親子ペアで芸傘として参加させていただきました。
子どもの場合、年齢の参加条件が小学校4・5・6年生と決まっているので、本当に幸運でした。もし年齢が合っていても、芸傘ができなければペアでの参加は困難です。ですから、息子と一緒に芸傘を披露できたことは有り難く誇らしい瞬間でした。

―練習や準備はどれくらい行うのですか?

■高橋 御柱前年の8月頃から個人練習を始めます。11月からは全体練習をスタートさせて、最初は週3日、年が明けて2月頃からは週4日、4月にもなれば週5日練習に明け暮れます。子どもたちは、最初は週に1日の練習から始めますが、次第にできることが増えて来ると「もっとやりたい」と言ってくれますね。
ほか、役員たちが担う裏方としての準備は、前の御柱の本番が終わった時点から始まります。道具や衣装にしても、これだけの大所帯ですから種類も枚数も相当な数です。傘や草履をつくったり、衣装を揃えたり、または道具を修理したりと、6年をみっちり費やします。

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―今回、会長として御柱を迎えるにあたり重視されていることは?

■高橋 平成27年の1月より会長を務めさせていただいていますので、ようやく1年が経ったくらいです。今は裏方として、準備をしっかりと行い、騎馬行列を成功させることを第一に考えています。同時に、多方面で助けてくださる指導員や地区の方々、また、保存会の活動など地域への貢献を後押ししてくれる勤務先への感謝の念も忘れずにいたいですね。
そして何よりも「長くこの地域の皆さんが大切に守り受け継いできた伝統を、次代に継承させるという重要な使命をまっとうしたい」という強い想いでおります。

最後に、神宮寺騎馬行列の見どころと今回の御柱祭への想いをお聞かせください。

■高橋 毎回、上社里曳きが行われる2日間の両日に全員が出そろう「騎馬落し」が行われます。すべての芸を各日それぞれ、ひとつの場所でご覧いただけるので圧巻です。しかも、10月の発足会でも発表させていただいた通り、今年は騎馬大将を神宮寺地区の北原大貴さん、殿様役を北原さんの長男である悠大君といとこの北原伶唯君が担ってくれることになりました。名実ともに神宮寺地区一丸となって臨む騎馬奉納ですので、5月3・4日の里曳きにはぜひ上社を訪れ、華やかな行列を間近でご覧いただきたいと思います。

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