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深い森の中、
静寂から始まる山出し

山出し
御柱祭は大きく分けて「山出し」と「里曳き」の2つの日程で行われます。まず4月に行われるのが、神林で伐採され、ひっそりとその時を待ち続けた御柱を里へと運ぶ「山出し」です。揃いの法被・腹掛け姿の氏子たちが集まり、厳粛な出発の神事の後、木遣り衆の声を合図にして、3日間の山出しがはじまります。
上社山出し

綱置場

まだ雪の残る壮大な八ヶ岳の麓、1300mの綱置場から、上社の氏子たちが太い綱を曳き御柱は動き出します。「よいさ、よいさ」の掛け声とともに17メートルを優に超えるモミの木は、残雪の八ヶ岳を背景に里へと向かいます。
上社御柱の特徴である、柱から角のように突き出す“めどでこ”には、鈴なりに氏子が跨り“おんべ”を振って士気を高めます。
上社山出し

難所「穴山の大曲」

山出し第一の難所が穴山の大曲。道が狭い上に屈折しており、巨大な御柱をうまく操ってスムーズに通過させるのは至難の業です。道の両側に迫る民家の軒先にめどでこが触れそうなほど近づく中、木遣りの声を合図に、男綱・女綱と呼ばれる曳き綱を引き、梃子棒をかませ、伝統の技と力を合わせて、御柱はゆっくりとこの難所を通過していきます。
上社山出し

木落し

2日目の難所は、斜度27度の木落し坂。めどでこに大勢の若衆を乗せたまま、御柱が一気に急坂を下ると拍手と歓声が沸き起こります。木落しは男たちの度胸の見せ場であると同時に、元綱係や梃子衆の技の見せどころ。大歓声の中、御柱は技と度胸によって坂を下ります。
上社山出し

宮川の川越し

山出し最後の難所が宮川の川越しです。御柱を宮川の雪解け水で洗い清める意味があるといわれています。めどでこを左右に振りながら、水温10度以下の身を切るような冷たい川の流れに、みなずぶ濡れになりながら御柱とともに渡る姿は壮観です。
下社山出し

棚木場

深い森に囲まれた東俣渓谷添いにある棚木場。伐採から1年を経て8本の柱は、澄み渡った木遣歌が響く中、古式に則った厳粛な綱渡神事を迎えて動き出します。皆の気持ちがひとつになり、氏子たちによって綱打ちされた勇ましい曳綱が重さ12tを超える御柱を曳き出し、里へと向かいます。
下社山出し

難所「萩倉の大曲」

大きいカーブのため全体が見渡せない難所です。細く大きく曲がった道を一気に通り抜けられるかは、元綱係・梃子衆・追掛綱係の腕の見せどころ。氏子たちは大きな掛け声と木遣り唄で士気を高め、心をひとつにこの難所を乗り越えていきます。
下社山出し

木落し

下社山出し最大の難所は最大斜度35度の木落し坂です。足がすくむほどの急斜面が約100mも続く木落し坂の上に進んだ御柱がじりじりと崖の上へ。氏子と観衆の緊張が最高潮に達した瞬間、斧取衆によって追掛綱が切られると、御柱は煙を上げて轟音と共に猛然と坂を滑り下ります。木落しは、曳行開始と同じ順番で行われ、最も太い秋宮一の柱が最後を飾ります。
下社山出し

注連掛(しめかけ)

山出しの最終地点。木落し坂を下った御柱は、その日のうちにこの地に曳きつけられます。厳粛な注連掛祭の後、氏子たちの万歳の声と共に山出しの3日間は終了し、5月の里曳きまで静かに注連掛に安置されます。